奨学金で自己破産、約1万件
大学生でみると、奨学金を利用する学生は、2004年には4.3人に1人、それが、2014年には2.6人に1人に。親の年収の減少や、授業料・入学金の高止まり、アルバイト代など学生自身の収入の減少などが背景となって、奨学金を利用する人が大きく増えてきました。そして、それに伴い、滞納する人も増えています。
返済延滞者は約33万人。延滞額の合計は876億円。そして、返済できずに自己破産に追い込まれたケースは約1万件という数字があります。これは2013年度のデータですから、現状ではさらに増えているかもしれません。
奨学金のせいで結婚をためらう人も
自己破産までいかなくとも、奨学金の返済のせいで大学院への進学をあきらめたり、結婚をためらうなど、人生の選択肢をせばめる人も多くいます。「奨学金」といえば前向きでクリアなイメージですが、借金であることに変わりありません。
一方、男性の気持ちとして、2017年7月に発表された意識調査もあります(対象200人)。「奨学金の返済をしている女性と結婚できる?躊躇する?」という問いに、「結婚を躊躇する」と答えた男性は32%。「結婚できる」と答えた人の中にも「自力で返済するなら」と条件付きの回答も多く見られました。奨学金は結婚に対しても、確実に障害になっていることを裏付けています。「労働者福祉中央協議会(中央労福協)が、奨学金を借りている34歳以下の働く男女に行った調査で、回答した2061人のうち、「奨学金返還が結婚に影響している」としたのは31.6%に上ることが29日、分かった。出産への影響があるとの回答は21.0%あった。」
奨学金の返還「結婚に影響」3割 中央労福協調べ 日経新聞 2016/2/29
